28歳の就活生
「は、お前、就活すんの!?まじ!?」
俺が就活を始めると言ったら、社会人4年目、5年目、6年目の友人たちが、揃いも揃って、同じセリフを言いやがった。
お前ら、口裏合わせてんのか...
ベッドの上でスマホをぶん投げそうになったが、なんとか思いとどまって、とりあえず、「まじだ。だから話を聞いてくれ」と、俺は”就活”とやらを始めてみることを伝えた。
俺「まずは何をすればいい?」
友「いや、腹痛え(ゲラゲラ)」
俺「おい、まずは何からやるんだよ」
友「いや、すまん。え、おもろ」
俺「おい、いい加減キレるぞ」
友「あーーー、あのさ、お前って就労経験あったっけ?バイト以外で」
俺「ないな、だから中途とかじゃなくて、新卒な、新卒!」
友「なるほどな...(ぷークスクス)」
俺「???」
友「ぼく、なんちゃいですか?」
俺「てめぇ... お前の3つ上だから28歳だろ、このやろ」
友「すまんすまん。 いやな、別に就活するのは悪いことじゃないし、社会に出る初めの一歩だからさ、お前がその選択をするのは、当然なんだけどさ。いや、マジでやばい」
俺「は!?!?」
友「お前さ、28歳で新卒として就活って、マジで終わってるぞ」
俺「ん???」
友「あのさ、普通の大卒って何歳よ」
俺「22とか23歳か?」
友「そそ、ほいでお前さんは、その5つ上の28歳。しかも、ただの学部生」
俺「なんだよ、難しいのかよ」
友「難しいなんてもんじゃないだろ。たぶんお前に市場価値ないよ」
俺「へ?(こいつ何言ってんの?)」
友「市場価値なし男(なしお)」
俺「え、やってみないと、分からなくね?」
友「マジで、ハッピーだなお前」
俺「うるせー、吹っ飛ばすぞ」
友「まあ、そのうち飽きるだろうから、やるだけやってみなよ。とりま、緊急事態宣言が明けたら、飲みにでも行こうぜ」
俺「...」
どうやら、日本の就活市場において、28歳の学部新卒はマジで価値がないらしい。
え、マジで?
次回:「なぜ、28歳には市場価値がないのか?」
*注:口調や表現や登場人物に若干もしくは大幅の誇張や脚色を入れています。あくまでエンタメとしてお読みください。ただし、28歳の筆者が22卒として就活を始めたのは、おおマジです。